皆さんこんにちは!
パーソナルトレーナーの野上です
今日は呼吸のメカニズム「吐ける肺」と「吐けない肺」!!と言うテーマでお話をしようと思います。
呼吸のメカニズム
呼吸・・・・大事だと言われますよね・・・・
しかし、本来呼吸というのは「不随意運動」と言われるもので「無意識に行われる動作」です。
まず人間は1日に何回呼吸をしているのか?ですが、これは概ね2万回呼吸をしています
(もちろん個人差はあります)
この呼吸を全て「意識して行う」なんてことは不可能です。
ただ、気がついた時に少し呼吸法に気をつけることにはそれなりに意味があります。
呼吸とは「肺」が酸素と二酸化炭素を交換する作業です。
そして意外かもしれませんがこの肝心の「肺」ですが・・・・
「肺」は自らが、広がったりはできません。
まさに風船みたいなものだと思ってもらえればいいと思います(^^)
風船は自ら膨らまず、外部から空気を入れてあげないと大きくはならないんですよね。
しかし、自らしぼんで空気を吐き出すことはできます。
そういう意味では風船と全く同じなのです。
でも呼吸するときは肺が膨らんだりしぼんだりするじゃない?と思われる方も多いと思います。
これは「周りの筋肉」が収縮して、その結果「肺」を広げたりしぼめたりしているんです。
その肝心の「肺」を動かしているメインの筋肉は「横隔膜」と「肋間筋」というものです。
横隔膜はご存知かと思います(^^)
「肋間筋」とは、肋骨の一本一本の間をつないでいる筋肉のことです。
横隔膜は収縮すると「下」に下がります。
そうすると肋間筋が開き胸が広がり、肺に息が入っていきます。
次に横隔膜が元に戻ると上に上がります。そうすると息が肺から出るという仕組みになっています。
そして大事なことは、この「横隔膜」と「腹横筋」が連動しているという部分です。
腹横筋とはお腹の周りを腹巻きのようにグルッと回るようについている筋肉です。
腹部のインナーマッスルと言われ、腹式呼吸の時に使われる筋肉です。
また体幹の腹圧を上げる場合も腹横筋が収縮することによって圧力が高まります。
一般に普通の呼吸では胸部も腹部もさほど動きはしません。
動いていることが意識できず、横隔膜の収縮と弛緩と肋間筋の弾力のみで呼吸をしていることがほとんどです。
逆に深い呼吸をするときは意識的に息を取り込もうとして、胸部も腹部も動きます。
そして、最初に述べたように普段はなかなか意識ができないことが普通なので、ここで大事なのは・・・・・
浅い呼吸の時の「肋間筋の弾力」がキーポイントです。
言い換えれば「胸郭」の柔らかく、弾力がある状態だと呼吸が自然と大きく深くなりやすいと言えます。
できればバランスボールに仰向けに寝て、大きく胸郭を広げるようなストレッチや器具がない場合は、ラジオ体操で行う両手を大きく広げて胸を大きく開く運動があります。
このような運動をこまめに行い、肋骨の間にある「肋間筋」を大きく動かして弾力や柔軟性を保つようにしてください(^^)
「吐ける肺」と「吐けない肺」について
まずこちらの図をどうぞ(^^)
肺には「吐ける肺」と「吐けない肺」の二つに分かれます。
まず、肺は息を吸うと膨らみます。
そして息を吐くとしぼみます(^^)
当たり前ですよね(^^;
そして一回大きくなった肺は、まさに風船のようにある程度までは自ら縮むことができます。
まるでゴムのような性質が肺にはあると思っていただいていいと思います。
ただし息を吐く後半には腹筋群が稼働して、息を吐き切るのを助けます。
そして、ここがとても大事なポイントで最も言いたいことなんですが・・・
「ゴムはいつか劣化」します!
つまり、この肺の「弾性」も、経年と共に徐々に弾力が失われていくのです。
タバコが肺に色々と悪い影響を及ぼすのは誰しも知っていると思います。
そしてタバコをやめると、ある程度肺の機能はタバコを吸う以前くらいまで戻ります。
しかしこの「弾性」に関しては、そもそも「アンチエイジングが効かない」とされています。
呼息筋によって一旦広がったはいいけれど、ゴムのような柔軟性が失われた肺は十分に縮むことができません。
すると当然、最大限に息を吸い込んだ後、肺から吐き出せる空気の量も当然低下します。
するとですね・・・・ガス交換の効率が悪くなり、体内の二酸化炭素の量が上がります!
すると「脳」が「もっと呼吸せんかい!!」と呼吸筋に指令をだし・・・
呼吸筋に負荷がかかる上に、さらにそこに姿勢が悪いと呼吸筋がうまく活躍せず・・・
・・・・だんだん読んでいるだけで息苦しくなってきますよね(^^;
ここで言いたいのは、ゴムの弾性を低下させないためには、やはり前のページでも言いましたが普段から肺を「大きく動かしてあげる」ことが大事です。
ゴムもずっと同じ長さでそのままににしていると、その長さで固まってしまいますよね(^^;
大きく肺を動かすためにも「姿勢」はとても大切です。
このイラストのような体勢だと、この大きさで肺が固定します。
ここでゴム弾性が低くなったら、それこそ酸素の換気能力の低下は一目瞭然です。
まず姿勢を正して大きく呼吸できる準備をして、さらに「正しい姿勢」で「有酸素運動」をしていただくことが最もおすすめです。
有酸素運動はその名の通り呼吸をしながら運動をし、その効果は「心肺の能力向上」を目指すものです。
最初はウォーキングから始め、慣れてきたら徐々にかるく息が弾む程度のジョギングを「姿勢良く」行いましょう(^^)
「機能的残気量について」
皆さん・・・・今日は何回「深呼吸」しましたか?
大抵の方は「1回もしていない」と答えるのではないでしょうか(^^;
まあ、意識しないとなかなか「深呼吸」ってしないですよね(^^;
肺活量というのは、思いっきり息を吐いた時の量を測るものです。
したがって「思いっきり」ではない「普通の呼吸」時の量は1回あたり500mlくらいなんですが・・・・
このうち、しっかり肺まで届くのは350mlほどです。
そして、さらにその中の4.5%がミトコンドリア(エネルギー代謝を語るのにめっちゃ大事なところ)にエネルギー代謝として使われます。
そして150mlは死腔という場所に入ってしまいます。
まあ、このこと自体は自然なことなので全く問題ないのですが・・・
今日お話ししたいのはもこの「息を吸う」ということだけではなく「息を吐く」という点でも、同じようなことが起きているということを言いたいのです。
どういうことかというと・・・・
息を吐く時も「肺に残っている空気がある!」ということです。
息を吸うときに死腔に入る空気があって、全部が肺に届く訳ではないのと同じように、息を吐く時も全ての空気が肺から出るだけではなく、ある程度肺に空気は残った状態になります。
これを「機能的機能的残気量」とよびます。
空気を全部出したら、肺がペチャンコになっちゃうのを防ぐために空気が残っているのです(^^)
そしてこの「残っている空気の量が多くなる」ということは・・・・
当然「よくはない」んです!
この残っている空気量が多くなると、身体を動かしたときに「換気量の幅が少なく」なります。
吐くことのできる空気の余裕がないので息が乱れやすいのです。
ちょっとした階段の上り下りで息切れするという方は、要注意です!
そして冒頭の深呼吸と何が関係してくるのか?でずが・・・・
この「機能的残気量」が多いということは・・・・肺が常に広がっているという可能性が高いのです。
肺に空気が残っているから当然ですよね(^^;
こうなると、呼吸筋に負担がかかります。
周囲の筋肉を使って強引に呼吸をしようとするので、まさに「肩で息をする」なんていう状況を招きやすくなるといえます。
そして「上手く吸えない」のも「上手く吐けない」のも姿勢が大きく関わってきます。
正しい呼吸をするため上手く吸って上手く吐くためにも「猫背」のような体勢では、周囲の筋肉が縮まって、呼吸筋のバワーを自然に使えなくなってしまいます。
またこの「機能的残気量」は、グラフの通り年齢が高い方が多くなりがちになります。
年齢が高くなるとちょっとした運動で息が切れやすく肩で息をするようになるのは、体力の問題だけでなく「機能的残気量」の点からも言えることなのです。
肺の換気量を回復させたり、肺の中の空気を新鮮な空気に交換して上げるためにも「深呼吸」をすることはとても大事なことです。
また過膨張気味の肺の弾力を回復させるためにも肺を大きく伸縮させることも大切です。
ぜひ、この記事をご覧になられた皆様は今すぐ深呼吸して肺の中の空気を新鮮なものに交換してみませんか?(^^)
よろしければ色々ご参考にしてください(^^)
ではでは!(^^)
関連YouTube動画 「肺」と「呼吸」を学びませんか? こんな時代だからこそ! 志村さんの訃報を聞き急遽撮影しました。