皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日はみなさんとのやりとりについて詳しくご紹介している日となっております(^^)
今日ご紹介するのはこのようなやり取りです。
約6ヶ月前に前十字靭帯再建手術を受けました
そろそろ受傷前のような横の動きに耐えられる状態に徐々に戻していきたいと思っています。
そこで、何をやっていけばいいかアドバイス頂けたらと思います!
いきなりすみません、失礼いたしました
適用となるエクササイズは3/4スクワット、レッグプレスになります。
スクワット、レッグブレスは膝は90度以上曲げないように(^^)
というものでした。
今日はですね・・・「キネティックチェーン」という言葉がキーワードになります。
キネティックチェーン
キネティックチェーン・・・これ最近できた言葉で、各団体で定義がやや異なるようなんです。
で無用な言い争い(各団体の指導員からそれ違うだろみたいな指摘が来るとややこしいしめんどくさいので)、を避けるために今まで触れなかったんですが(^^;
今日は書かないとまずいかな・・と・・
あくまでNSCA(全米ストレンクズ&コンディショニング協会)の定義と、そのテキストに書いてあることを中心に書きます。
まずこのQ&Aであるレッグエクステンションとスクワットですが・・・
このやり取りでは、レッグエクステンションは伸ばしきらない・・・
てことはスクワットも伸ばしきらない方がいいの?
ってなりますよね(^^;
スクワットは膝が90度以上曲げない・・・
つまりスクワットは膝の角度90度から膝を伸ばしきらないで非常にレンジ(可動域)の限られたスクワットの事を指していると思います。
これはつまり足を伸ばしきらない、いわゆる「ノンロックスクワット」の事を言っているのか?と思われるかもですが・・
これは違うんです!!
ん?じゃあどういう事?と思われると思いますが・・・
NSCAのガイドラインでは前十字靭帯再建手術を受けた場合のリハビリトレーニングのガイドラインがあります。
それによるとやっていいオープンキネティクチェーンのトレーニングとしては、膝間接が90度から45度で行いましょう!というものがあります。
この「オープンキネティックチェーン」とは「トレーニングしている遠位が遊離した状態のエクササイズである」とされています。
何言ってるかわかんないですよねえ~(^^;
例えて言えば、レッグエクステンション・レッグカール、足上げ腹筋なんかもこれに入ります。
要するに足の先端、手の先端が「固定されていない状態」でのトレーニングです。
いやいや、足上げ腹筋はともかく、レッグエクステンションはパッドで足も軌道も固定されているじゃん・・・
と思われるかもですが、レッグエクステンションもレッグカールも足首は動かそうと思えば色々動かせますよね?
まあこんな雰囲気のエクササイズを「オープン」と表現しています。
一方、スクワット、レッグプレス、もしくはレッグランジなどは足の先端(底)が地面や鉄板にしっかりと固定されています。
こういうエクササイズを「クローズドキネティックチェーン」と呼んでいるんです。
ここでQAに戻ると、前十字靭帯再建手術で最も大きなストレスになる「脛骨の非常に大きな前方へのずれ」が、オープンキネティックチェーンエクササイズのレッグエクステンションで行われる「最後の30度内」で起こるとされています。
なのでレッグエクステンションは「膝を伸ばしきってはいけない」となっています。
しかし一方クローズドチェーンエクササイズであるスクワットやレッグプレスでは、大腿骨に対する脛骨のずれが荷重や筋肉の共収縮(拮抗する筋肉が両方とも緊張して収縮する事)により最小限になるとされています。
ただし、クローズドキネティックチェーンのエクササイズでも膝を90度以上に曲げるエクササイズはダメですよ・・・・となっているんです。
まとめると、
- レッグエクステンションは「膝の角度が90度から45度の間」
- スクワットやレッグプレスは「90度から膝を伸ばすところまで」
で行って0Kということになるんです。
ここが一緒になって「スクワットで膝を伸ばすまでOKなんだからレングエクステンションもいいんじゃね?」とか・・
「レッグエクステンションがノンロックでやっているから、スクワットもノンロックなんじゃね?」とかなると・・
それは違うんです!というところが言いたかったんです(^^;
かなりややこしいかもですが(^^;
前十字靭帯再建手術を受けた方へのリハビリエクササイズ
ちなみに前十字靭帯再建手術を受けた方へのリハビリエクササイズについてですが・・
ウォーミングアップは動的なものを行うことによって、複数の運動平面で姿勢、バランス、安定性、柔軟性を促進するので推奨されています。
また両足を一緒に刺激するスクワットなどでは、痛めた側の足をかばう(代償作用)動作が入る可能性が高いので片足で行うエクササイズを取り入れることが推奨されています。
半腱様筋、薄筋の移植による前十字靭帯再建手術を受けた場合4~6週間はハムストリングのエクササイズは禁止となっています。
(レッグカールとかだけでなくスクワットもですよ!)
膝蓋腱からの移植に関しては膝を深く曲げて行うエクササイズは同じく注意が必要です。
そして移植腱のタイプに限らず、バイクや水泳は適切なエクササイズとなっています。
最後にリハビリは焦らず、あくまで医師の判断を仰ぎながら慎重に行っていくようにして下さい。
そしてできれば適切なトレーナーに見てもらいながらリハビリトレーニングを進めていくことがとても大切です。
今回は難しい内容でしたが、よろしければご参考にしてくださいね(^^)
ではでは!